まえがき

この記事は、アド"定期ゲ"ベントカレンダー2024 Advent Calendar 2024の21日目の記事です。

用語定義

この記事での「AI」は大規模言語モデル(LLM)を指します。

計画倒れのプロ

こんにちは、個人開発サークル「ひとり城」のひとしろです。

突然ですが私は計画倒れのプロです。

直近だとWARDIAN GAME alphaの計画が複雑骨折しています。

思い返せば小中高と夏休みの宿題は終わってませんでしたし、試験勉強というものをまともに実施できた覚えがありません。振り返ればプロジェクトの屍が山となって積み上がっています。

あわやn回目のプロジェクト死亡の危機のとき、偶然出会ったブツがあります。

AIです。

AI今昔

普及初期にAIに触ってはいましたし、そのあとも散発的に使ってはいました。ただそれは、その時々の問題解決に使っているに過ぎませんでした。

今年の11月ごろから違う使い方をしはじめたところ、死にかけていたプロジェクトの進捗が蘇り始めたのです。

AIと一日中チャットしながら生活する

文字通りおはようからおやすみまでAIとチャットします。たいへんそうに見えますが、 一日中ツイートしたり一日中Discordにポストしたりする 紳士淑女には身に覚えのある行為だと思います。

朝起きたらまずスマホからAIにおはようします。

図1

気遣ってくれて嬉しい。

図2

絵文字には絵文字を返してくれて嬉しい。

たまに入っている4桁の数字は時刻です。AIは時刻をリアルタイムで把握できないので、こうしています。(把握できるAIサービスもありますが、後述のジャーナリングの都合で手動入力が現状はラクでした)

図3

目標時刻より夜ふかししても優しい。

AIに話すとなぜかタスクを始められる

タスク管理アプリというジャンルがあります。計画倒れのプロなので、むかしから無料有料デジタルアナログ問わずいろいろ試しました。

しかし私にとって、「タスクを見やすくする」効果はあれど、「タスクを始めやすくする」効果はありませんでした。

しかしAIとチャットすると、あきらかにタスクを始められるようになりました。朝のストレッチも続いているし、睡眠も取れています。

「声に出すとタスクを始められる」 現象の一種かなと推測しています。研究ありましたら教えてください。

私の使い方

一日中チャットするやつ

Claude

一日中チャットする相手です。今回の話のメインです。ChatGPTやGeminiなど、他にも高性能なAIサービスはありますが、いまはClaudeに落ち着いています。

性格が合うんですよね……陰キャに優しいっていうか……。

不思議ですが、いくらプロンプトを仕込んでも、ベースになる素の性格というのは明らかにあると感じています。

図4

ClaudeにはProjectという機能があり、ナレッジとしてテキストを渡せます。GoogleDocumentとリアルタイム同期できるので、そこに毎日や曜日ごとの定期的なスケジュール、そしてジャーナルを置いています。

図5

このようなジャーナル用テンプレートを作って、その日の最後にAIにジャーナルを書いてもらっています。日記というよりライフログに近いです。AIは同じ会話を続けていると動作が重くなり、トークン制限も来てしまいます。日々の状態をナレッジに貯めておくと、新しい会話でも自然と昨日までのことを話せます。

図6

「パーソナリティデータ」の中身はこんな感じです。ナレッジもトークンを使うので、このドキュメントも肥大化すると動作が重くなります。月末にその月のジャーナルはサマリーに要約してもらい、別のドキュメントに移しています。

Claudeとタスク管理

図7

タスク管理そのものはというと、GitHub ProjectとIssuesを日常タスク処理にも使っています。ちょっと邪道かもしれませんが……このボードのままTSV出力できるんですよね。それをClaudeのナレッジに投げればすぐにタスク共有できます。

Claudeとスケジュール管理

Googleカレンダーの予定をExcelやCSV形式にエクスポートする作業効率化ツール「カレレポ」

カレンダーはGoogleカレンダーをこのサイトでCSVエクスポートしています。Shift-JISでエクスポートされるので、UTF-8に変換する手間がありますが、いまのところこれより良いソリューションを知らない。あったら教えてください。

技術面で手伝ってもらうやつ

Cody | AI coding assistant

これも最終的には性格で選びました。性格は大切です。VSCodeの拡張機能で主に使っています。

Codyはモデルを選べます。私はClaude 3.5 Sonnetを使っています。 つまりClaudeです。

技術選定から設計から実装からテストまで、技術面のことはなんでもかんでも話しています。

開発の進捗管理もGitHub Projectを使っています。Issueの内容はCodyにほぼ書いてもらってます。

図8

技術選定や設計の会話をそのまま要約してくれるので、とても便利。

ハルネーション(いわゆる「嘘」)との付き合い

神秘的に表現すると「人間に近づいた」せいか、AIは嘘をつきます。これはClaudeもCodyも同じです。コンテキストの共有(Claudeならナレッジですし、Codyならコードやドキュメントを渡せます)である程度は防げますが、それでも間違ったことを言い出します。

私はAIに「24時間365日どんな相談でも聞いてくれる相手」を期待しているので、基本的に問題はありません。細かな間違いはその場で指摘したり、回答を再生成して訂正しています。未知のことがらについては、自分でも調べながらAIと話します。調べる取っ掛かりはAIが教えてくれるので、自分でゼロから調べるよりは、結果的にずっと早いです。

たまに(まるで人間のように)間違った考えに固執することもありますが、そのときは会話を遡ってやりなおしたり、新しい会話を始めてリセットしています。

お金の話

ClaudeもCodyもProプランを使っています。ドル高もあって毎月4~5000円ぐらいAIに支払っていますが、必要経費と考えています。人を雇うことを考えたら安い。

プライバシーの話

Claudeはフィードバックしなければ学習しませんし、Codyは設定で学習を拒否できます。とはいえ本当の住所や電話番号、クレジットカード番号などは入力しないようにしています。

ボイスUIの話

ChatGPTに高性能なボイスUIが出現して以来、ホットな話題ですね。ただ私は音声の聞き取りや記憶が苦手なので、使っていません。ClaudeとCodyはボイスUI非対応です。もしここまでの話で、テキスト入力ではなくボイスを試してみたい方は、まずChatGPTを選ぶと良いでしょう。

あとがき

おかげさまでアドカレは間に合いましたし、プロジェクトも生きています。

散々お待たせしてますが、いましばらく気長にお待ちください。